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Ikigai Spotlight Series: 伊波 響さん, ダンサー&コレオグラファー

更新日:7 日前

Movement is an Art


Ikigai is a concept that is very much integral to Japanese culture. The word 'Ikigai' can be roughly translated to your 'reason for being', or purpose and is not confined to the ‘Venn Diagram’. More on its authentic definition can be explored here.

While Ikigai is essential to one's well-being, the true beauty is that it does not have a fixed equation and can change over time.

At Mogami, we would like to highlight this nuance with our 'Ikigai Spotlight Series'.


This month's featured guest is Hibiki Iha, Dancer and Choreographer from Okinawa, Japan.

A man in a red hooded jacket standing outdoors with a mountainous landscape in the background at dusk.
Photo Credit/写真: Momoko Maruyama (https://www.instagram.com/momoko0127/)

まずは、これまでの人生やダンスとの歩みについて、自由にお話しいただけますか?


響です。今は東京を拠点にダンスをして生きているんですけど、もともと沖縄県に生まれました。ダンスのルーツは沖縄時代にあると思ってて、母がマイケル・ジャクソンやEXILEが好きだったこともあって、ダンスを見るのは小さい頃から好きだったんです。


ただ、当時はすごいシャイな子で、自分で踊るなんて考えたこともありませんでした。人と話すのが苦手で、「女の子と話すのなんて、もう緊張しちゃう」みたいな感じだったんです。でも母親か父親の影響もあったと思うんですけど、とりあえずスポーツが得意だったんで、なんかそれが自分のアイデンティティに繋がっていました。運動ができると、それだけでちょっとした“ヒーロー”になれる。シャイなんだけど注目されるのは好きだな、みたいな目立ちたがり屋なんだ。それで、高校までは陸上やサッカー、テニスなど、ずっとスポーツに夢中でした。


夕焼けを背景に、頬杖をつく金髪の男性。表情はやや憂いを帯び、青いジャケットと白いシャツを着用。穏やかな雰囲気。

高校3年間は陸上競技部活動に入ってプロを目指してたんです。大学でも続けるつもりでしたが、高3のときに大きな怪我をしてしまって、希望していた進路を断念せざるを得なくなりました。でもその頃には「沖縄から出たい」という気持ちがあって、東京の立教大学に進学することに決めました。


上京後、友達に誘われて行ったダンスサークルの新入生歓イベントみたいなのがあって、それ見に行った時に「ダンスかっこいい!」、見るの好きだったしと思って、そこからダンス始めたのがダンスの出会いですね。そこからはすごいのめり込んじゃって、大学4年間やって普通だったらみんな就職活動とか始めるタイミング、大学3年生とかだと思うんですけど、ダンスをここでやめて他のことやりたくないみたいな意識が強くて、自然とダンサーの道を歩き始めていました。


響さんにとっての「生きがい」や、自分の存在意義のようなものは、これまでどのように変化してきましたか?


今の自分にとっての生きがいは、やっぱりダンスですね。でも18歳くらい、沖縄にいた頃はスポーツが生きがいだったと思います。つまり、自分にとって「熱中していること=生きがい」なんです。


正直、自分は承認欲求が強いタイプで、認められたいという気持ちがどこかにあって。

誰かのためというよりは、自分が達成感や充実感を得ることがまず大事だった。

昔は陸上、今はダンス。その時々で、自分のために夢中になれるものがあった感じです。


でも最近は少し変わってきて、ダンスってやっぱり一人じゃ成立しないなと感じてます。

お客さんがいてこそのパフォーマンスだし、友達と踊ればその人のためのダンスにもなる。

映像であれば、画面の向こうにいる誰かのためにもなるし。


以前は「自分の幸せのために踊る」が中心だったけど、今は周りの人も巻き込んで、一緒に幸せを感じられたらいいなと思うようになりました。

後輩や仲間たちと何かをつくったり、自分が好きな人を現場に呼んだりできる立場になってきた今、誰かのためにも自分の生きがいを活かせたらいいなと。


「世界中を幸せにしたい」とか大きなことは言えないけど、自分の近くにいる大切な人たちを幸せにできたらそれで十分。ダンスというツールで、それができるかもしれないって最近思えるようになりました。それが今の、自分にとって生きがいだと思います。


An artist in a checkered shirt painting a still life on a canvas in a classroom setting with art supplies and easels around.

今の暮らしや活動は、ご自身の本音や大切にしている価値観をどのように反映していると思いますか?(例えば、健康や栄養に関する意識、幅広い音楽を聴くなど)


自分はけっこう「仕事」と「日常」の境目があいまいで、ダンスがもう生活の一部になってるんですよね。たぶん、ダンサーでも人によると思うんですけど、自分にとってはダンスの調子が、その日の気分を左右するくらい大きな存在です。たとえば、いい踊りができた日は「今日はいい一日だったな」って思うし、逆にうまくいかない時期は生活そのものがちょっとネガティブになりがちです。


だから、仕事とプライベートを切り分けるのがすごく難しくて。休むのが苦手っていうのもあって、オフの日でも「なんか振り作った方がいいのかな」とか「次の映像のこと考えなきゃいけないかな」って、頭が常に何かしなきゃってモードになっちゃう。体を動かしてなくても、なかなか本当の意味で休めないんです。


沖縄のすごい田舎に住んでたから、やっぱり自然と触れ合うことが自分の中で心を安定に保てる要因だなと思って、だから、時間がある日は近所の公園に行ったり、自転車で二子玉川の河原まで行って裸足でぼーっとしたり。自然に身を置くことで、頭の中がクリアになる感覚があります。


最近は、「ずっと走り続けなくてもいいのかも」と思えるようになってきて。小さな一歩でもいいし、ときには立ち止まるのも大事。大きな目標じゃなくても、「今日は10分だけ体幹トレーニングしよう」みたいな、小さな積み重ねを意識してます。ハードルを高くしすぎると続かないけど、低めに設定してでも毎日続けることで、「今日これだけできた」って、自分の心もちゃんとハッピーになれる。そんなふうに、自分のペースで日々を過ごすようにしています。

Hand holds a notebook open to a watercolor painting of a sunny, tree-lined street with people. Background shows blurred outdoor scene.
Photo Credit/写真: Momoko Maruyama (https://www.instagram.com/momoko0127/)

人生の中で「迷い」を感じた時期はありましたか?その時、どのような考え方やツールが助けになりましたか?


迷いを感じる時っていうと、結構自分いっぱいあって、ダンスやってる中での、自分にとっての仕事の中で悩むことがすごいいっぱいあるんですよ。ダンスのスタイルにしても、「もっとこうした方がいいかな」とか、「いや、こっちの方が好きかも」っていつも考えてて。


自分は好奇心が強くて、ダンスに限らずなんですけど、ダンスで言うと、いろんなジャンルが好きなんです。ヒップホップ、レゲエ、ジャズ、コンテンポラリー…。だから自分のスタイルがまだ定まってなくて、それが良いところでもあり、ちょっと悩ましいところでもある。大学の時も、陸上を続けるかダンスをやるか、すごく迷ったけど、最終的にダンスを選んだ。

そうやって迷いながら選んできたからこそ、今の自分があると思ってます。


でも、「ダンスをやめよう」と思ったことは一度もないんですよね。お金がなかった時期も長くて、バイトしてたけど、でもなんかやっぱダンスをプロでやってる人たちはずっと24時間ダンスのこと考えられるわけじゃないですか。自分はアルバイトの時間はアルバイトのことを考えなきゃいけないし、その時間なんか差が開く一方だなと、「やるなら中途半端にしたくない」と思って、思い切って辞めました。もちろんすぐ結果が出るわけじゃなかったし、苦しい時期もあったけど、「好きなことをやめない、諦めない」っていうのが、自分の中の信念なんだと思います。


比べて落ち込むこともあるけど、周りと比べてもどうにかなることではないので、毎日コツコツ進まないと理想の自分にはやっぱり近づけないと思います。努力が必ず報われるとは思ってないけど、マイナスにはならない。続けてきたからこそ、今、想像してなかったようなすごいやりたかった仕事とかにも、やらせていただいてるなっていうのは思います。もっと可能性がいっぱいあるなと思って、これからも楽しみです。


「自分の生きがいが分からない」「見つけられない」と感じている人に、どんな言葉をかけたいですか?


自分はありがたいことに、「生きがいが分からない」とか「見つからない」と思ったことが一度もなくて。だから本当の意味で、そう感じてる人たちの気持ちをわかってあげることはできないかもしれません。


でも思うのは、誰にでも「好きなこと」って、何かしらあるんじゃないかなって。ただ、好きだけど「自分得意じゃないな」とか、「やっても上手くいかないな」と思って、遠ざけちゃうことってあると思うんです。


そういうときって、頭で制御しちゃっていますが、自分はそういう考えを一回手放して、「絶対合わないかもだけどやってみよう」って思うようにしてます。「やめた方がいいかも」って思うことって、実はやりたいことだったりするし。


だから、アドバイスできるとしたら、自分がちょっとでも興味あることがあるなら、とりあえず飛び込んでみる。別にそれが何かにならなくてもいいし、生きがいにならなくてもいい。


その「とりあえずやってみる力」って、すごく大事だなと思ってて。それが少しずつ、生きがいとかやりがいにつながっていくんじゃないかと思うんです。


ダンサー/コレオグラファーとして生きることは、響さんにとってどんな意味がありますか?


自分の職業についてすごく思うのは、ダンスって「表現」だってことなんです。もちろんコンテストとかではスポーツ的な要素も入ってくるかもしれないけど、基本的にはアートであり、自己表現だと思っていて。だから最初は、すごく自己満な世界なんですよね。自分のために踊って、自分のために作品を作る。でもそれが、いつの間にか誰かの心に届いたり、喜びになったりする。そのうえで対価としてお金をいただけるって、本当にありがたいし、こんなに素敵な職業は他にないなと思っています。

A person in a green jacket sketching a structure in a notebook with a pen, seated outdoors.

自分の表現を世の中に出すことで何かを感じてもらえる仕事って、シンガーさんや映像作家さんとか色々あると思うけど、ダンサーもそのひとつ。だからこそ、自分が本当に「素敵だ」と思えるものを、嘘偽りなく届けていきたい。人に影響を与えるものだから、クオリティも大事にしたいし、そこはちゃんと突き詰めていきたいと思っています。この「ダンサー」「コレオグラファー」という職業を、自分なりに全うしていきたいです。



「生きがい」とは何だと思いますか?


「生きがい」って言葉を聞くと、自分の場合はすぐダンスが思い浮かぶんですけど、やっぱり楽しいことだけじゃやりがいって感じられない気がして。ダンスって、喜びも苦しみも与えてくれるものだなって思っていて。


好きなことって、悩んだり迷ったり、そういうネガティブな面もついてくるじゃないですか。好きだからこそ、苦しむこともある。でもその分、喜びとか充実感もすごくくれる。やっぱりそれって、自分が真剣に向き合ってるからこそだと思うんです。

Painting of snowy mountain landscape, with distant peaks and sparse shrubs in the foreground. Blue sky and soft hues create a serene mood.
Photo Credit/写真: Momoko Maruyama (https://www.instagram.com/momoko0127/)

Reflection by Emma Launder, Guest Contributor


Emma Launder, Guest contributor, Ikigai Spotlight Series

Hibiki shows up in the world exactly as he is—creative, bold, and driven by his love for movement. For him, dance isn’t just a form of expression; it’s a way to connect, communicate, and share his energy with others.


His journey—from Okinawa to Tokyo, from athletics to dance—has been built on going all in and following what he’s passionate about. Along the way, he stays grounded by returning to nature —riversides, barefoot moments of stillness—and reminds himself that it’s okay to move slowly, to take things step by step, and sometimes, to simply stand still.


He reminds us that the things we love aren’t always easy—but they’re always worth chasing. And Hibiki doesn’t just say that. He lives it.


About Emma: Emma hails from the land of the rising sun and of the long white cloud (otherwise known as Japan and New Zealand). She’s often asked “Why?” and “What are we here for?”, and this has culminated in a deep desire to learn more about the big questions in life, especially surrounding purpose and ikigai. She’s currently based in Tokyo and works in PR and communications.



Reflection by Saori Okada, Mogami Founder


Saori Okada Mogami Founder teaching Japanese calligraphy mindfulness class smiling

What moved me most in Hibiki’s interview was the way he spoke about movement as a way of expressing the inner world — and the courage it takes to let that expression be seen, to invite others into it.


I was especially struck by the part where he shared that he was incredibly shy growing up. It’s hard to believe when you watch him dance now — bold, expansive, expressive. I spent the afternoon watching some of his videos after reading the interview, and I found myself feeling the energy he carries through movement. It’s not just performance. It’s something felt.


His ikigai isn’t simply about doing what he loves — it’s about showing up fully for that love, even when it’s not easy. I appreciated his honesty in saying that ikigai comes with both joy and struggle. That resonated deeply. It’s easy to speak of purpose in light-filled terms, but he reminds us that it also includes doubt, frustration, and the quiet work of continuing anyway.


His words — “You don’t always have to keep running” — stayed with me. Whether we’re creating, building, or simply trying to keep up, it’s easy to feel like we’re never doing enough. But sometimes, the most powerful kind of movement is a pause. A breath. A small step that simply says, “I’m still here.”


Hibiki’s story reminded me that how we move matters just as much as that we move. And that expression, when it comes from a real place, has the power to connect — beyond words.


Do you want to learn more?

You can find out more about Hibiki Iha's work here


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